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黒ネコ琉璃の噺とゲームの小部屋

琉璃が思いつくままに小説を書いていく部屋です。テイストはラノベ、少女小説といったところでしょうか。眠れない夜のお供にでも。ときどき(?)ゲームと飼い猫の話もつぶやくと思います。

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女神の巫女姫 no.4

 セシルたちがレーデの村に着いたのは、太陽が大きく傾き、今にも山の端に沈み行こうという時刻だった。
 山の麓にある、畑作中心の長閑な村では一日の仕事が終わるのは早い。この時間は、皆今日の仕事を終えて家路につく頃合いであるため、ここで人を逃すとこの村での情報収集は不可能になる。
 そして、田舎の村では宿がないことが多い。今のうちに宿の目星をつけておかないと、各戸別に訪問して、今夜の宿をお願いしなければならなくなる。できればそんなことは避けたい二人は、何とか家路を急ぐ村人を捕まえることが出来た。

「この村に宿はありますか?」

 人の好さそうで朴訥としたおじさんは、肩にかけた鍬を担ぎなおしながら答えてくれる。

「こん村は、あんま旅人は寄り付かんからねぇ。宿はないんだよ」

 そのかわり、治癒師がときたま来る旅人に宿を提供しているそうだ。

「おじさん、ありがとう」
「ありがとうございます」

 リシルとセシルが礼を言うと、おじさんはいいってことよ、と笑って自分の家路を急いでいた。



 教えられたとおり、治癒師の家に行くと、30代半ばと思しき夫婦が迎えてくれた。

「あらあら、疲れたでしょう?ゆっくり休んでいってね」

 柔らかなやさしい印象の奥さんが、セシルたちを労わってくれた。隅々まで手の行き届いた家の中は、温かい雰囲気に整えられていて、奥さんの気性が雰囲気通りなのだと思わせる。聞けば、村の医者的存在である治癒師は夫のほうで、奥さんは看護師のようなことをしているそうだ。

「それにしても、今の時期に旅人なんて珍しいわねぇ」

 私たちを二階の部屋に案内しながら、奥さんはそんなことを呟く。その言葉は、純粋に驚いているものだったので、セシルたちが迷惑がられているのではなさそうだ。
 彼女たちが昼頃までいた、この村の北にあるマトリスと峠向こうのルクルドはともに港町で、扱う品があまり変わらないため、交易は特にない。ただ、両者の港で定期船の行き先が多少異なるために峠を越える者もいるが、船で乗り継いだほうが魔物や野盗に襲われることもなく安全なため、腕に自信があるか、よほど急いでいる者しか使うことはない。

「夕食はもうすぐできるのだけど・・・」

セシルたちの部屋の扉をあけながら奥さんはそう告げたので、リシルが返事をする。

「はい、大丈夫です。」
「荷物を置いたら降りてきてもらえるかしら?」

 そういって、セシルたちの部屋の扉を示した後、奥さんは今昇ってきた階段を降りて行った。


   to be continued
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