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黒ネコ琉璃の噺とゲームの小部屋

琉璃が思いつくままに小説を書いていく部屋です。テイストはラノベ、少女小説といったところでしょうか。眠れない夜のお供にでも。ときどき(?)ゲームと飼い猫の話もつぶやくと思います。

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女神の巫女姫 no.8

「まず、僕たちの世界に起きていることを、先にお話しします」

 カイはまず、そう切り出した。

「数年前のことです。『ガータ』では、少しずつ、けれど確実に、世界中のマナが減少し始めました」

 当時は原因がわからず、国のマナの研究者たちは慌てふためいたらしい。『ガータ』では、人々のマナの使用量を管理し、制限しているため、そんなことが起こるはずもないからだ。

「しかし、とある遺跡の古代兵器が、稼働していることがわかりました」

 『ガータ』には、現在よりはるかに進んだ文明が、古代に存在したらしい。古代文明の遺跡には、マナを大量に消費する兵器が眠っているそうだ。
 けれど、さらに調べてみると、マナの減少はその古代兵器の稼働のみでは起きえないほどの規模だったという。

「その古代兵器の中で、神の御力を使う儀式が行われていたのです」

 『ガータ』の神話においても、創世神ガートライトはアデルライトにより封印されたと伝えられている。
 『ガータ』には、『アデラ』のように神の力を使うべき『巫女姫』のような存在もいない。にもかかわらず、神の御力を使う者が現れた。

「サーダル、か・・・?」

 どのような経緯でサーダルが『ガータ』と『アデラ』を行き来しているのかはわからないが、カイたちがサーダルを追っているということはそういうことなのだろう。

「そうです。サーダルは、神の御力を使って、神へと至る『道』を作っています。その『道』の維持のために、『ガータ』のマナが搾取されているのです」

 神の力を使う技術は、それ相応のマナを消費する。しかも、発動のみでなく、維持となると、消費量は莫大だ。

「特に問題はないんじゃない?神へと至る『道』なら、ガートライトを復活させるってことでしょ?」

 『道』というものがどういうものかはわからないが、“神へ至る”ということは、封印された神との接触を図ることが出来ると解釈していいはずだ。封印されている神と接触するということは、その封印を解くくらいしか目的は見いだせない。
 封印されていてさえ、世界を維持するだけのマナを放出することのできる神を復活させることが出来れば、それこそ消費した分にお釣りがくるほどマナは豊かになる。
 それならば、一時的にマナが減少しようと特に問題はないはずだ。
 そんなセシルの疑問に、カイは焚火をうけて輝く蒼い瞳を伏せて首を振る。

「サーダルが繋いだのは、ガートライトへの『道』ではありません」
「え?」
「は?」

 リシルとセシルが思わず声を上げる。神へと至る『道』を作っておきながら、ガートライトへと至るものではない?

「サーダルが作ったのは、いまだ眠りしアデルライトへと至る『道』です」

 少女二人は怪訝な顔をする。サーダルが何をしたいのかが、全くわからない。

「サーダルの目的は、女神アデルライトを目覚めさせることです。女神はマナを使い果たしたことによって、永い眠りにつきました。ならば、それを目覚めさせるには、女神にマナを満たせばいい」

 カイは一度言葉を切り、少女たちに透き通った蒼い視線を据える。

「女神のマナで構成されている『アデラ』に充満するマナを、『道』を通じてアデルライトへと集める。それも、極めて短期間で」

 最後の一言に、セシルたちは息をのむ。
 力尽きてなお、分身たる精霊を作り出せる女神が持つマナの量は莫大である。女神の巫である少女二人は、それこそ女神の力が凄まじいということを他の誰よりも“感じて”いる。力尽きた女神が失ったマナを、そんな短期間で賄う、その結果は。

「そんな、世界中からマナが消えるじゃないか!」

 マナは世界を構成する最重要要素である。マナが存在しなければ、生き物はおろか、物質はその形を保つこともできない。マナとは、それだけすべてのあらゆるモノを構成しているのだ。
 悲鳴のようなセシルの言葉に、カイは静かにうなずいた。

「そうです。このままでは、『ガータ』だけではなく、『アデラ』までマナの枯渇による世界危機が訪れることでしょう」

 少女二人は言葉も出ない。自分たちが巫女姫をしている時代に、神話と同じく本当に世界危機が訪れるなんて。
 そんな少女たちを、男二人は真剣に見据え、威儀を正す。

「女神の巫女姫であるお二人に、お願いいたします。サーダルの計画を阻止するために、どうかお力をお貸し願えないでしょうか」
「『ガータ』において、神の力に対抗する術は発見出来なかった。神の力に対抗しうるのは、神の力を使えるであろう巫女姫の力を頼むしか、方法がない。どうか、その力を、俺たちに貸してはもらえないか」

 この通り、というように、二人とも深々と頭を下げた。


   to be continued
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